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ダイエー新在家店、惜しまれつつ閉店

去る2025年2月15日、兵庫県神戸市灘区にあるダイエー新在家店が閉店。
今回は閉店日の様子についてレポートする。

新在家の駅前で20年弱あったお店

ダイエー新在家店はもともと四国を地盤とするマルナカのグループ会社、山陽マルナカの新在家店として2004年8月にオープンした模様。
それから時は流れ2019年3月1日、山陽マルナカから株式会社ダイエーマルナカ事業部へ移管。
2021年12月1日からはダイエー新在家店へと店名変更をして、いまに至る。

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マルナカを隠したであろうパネル

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ネオンとダイエー仕様の装飾のコラボレーション

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店舗奥に置かれていた酒樽の数々。
灘は酒処ゆえに、ということなのかもしれない。

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従業員からお客様に向けてのメッセージ。
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最初が店長ではなく副店長から始まっている。

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各部門からの感謝の想いが綴られている。

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名物おかずバイキング。
閉店時間が近くなると置かれていた見本用のものも販売に回すなど臨機応変な対応が取られていた。

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ダイエーによくあるらしい資材の販売。
私は初めて見た。

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「鮮魚お買得」の品名で消費期限がつけて売られているのもまた面白いものである。

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マルナカ時代からあると思われるサイン。

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何かが隠れているゴミ箱。

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レジ周り。
セルフレジが大変混雑していたが、案内役の従業員は「比較的奥のレジも空いております」と臨機応変な案内をしていた。
実際、案内していたレジは空いているというよりガラガラ。しかしお客様にはあまり届いていないようであった。
なお、この従業員、案内する内容のスクリプトを持っているようで、少し驚いた。

閉店セレモニー

閉店時間は18時。
だが時間通りにいかないのがいつもの話。
18時10分くらいまでは入店を許していたようで、意外であった。
18時15分頃だったか、正面の出入口が閉鎖。イートインコーナー横の出口のみが利用可能になっていた。
お客様を見送っているのは従業員ではなくなんと支社長。びっくりである。

18時30分を過ぎても挨拶は始まらない。
店長は待っているお客様に対して「後で挨拶はする」と声をかけていた。
18時40分、ようやく挨拶が始まった。
登壇者は新在家店の店長、西原さん。

今回も、挨拶の全文を掲載する。
はい、それでは、大変長らくお待たせいたしました。
こんなに遅くまで残っていただきまして誠にありがとうございます。
当ダイエー新在家店の店長、わたくし西原と申します。
本日は、多数ご来店くださいまして誠にありがとうございました。

ダイエー新在家店、20年前にですね、マルナカ新在家店ということでオープンいたしました。
そして、ダイエーマルナカ新在家店、そしてダイエー新在家店として、約20年間、この新在家の駅前で商売をさせていただきました。

本日まで、大変お世話になりました。
ただ、今回の営業終了につきましてはですね、あくまで「店舗建て替えのため」の営業終了でございます。

何も「新在家店がなくなる」というわけではございませんので、本当に、その辺はご安心いただきまして、また新しく店ができましたらですね、是非とも足を運んでいただきたいなあ、という風に思います。

あの、ダイエーはですね、この神戸の地で誕生いたしまして、神戸の街の皆様と一緒にですね、成長してきたお店です。

あの、いまですね、やはり、いろいろ、関東や、中部や、九州からですね、いろんな新しいスーパーが、ディスカウントストアが、出店して参っておりますが、いつまでもですね、「よい品をどんどん安く」皆様にご提供できる、本当に皆様に信頼していただける、安心してご利用いただける、スーパーマーケット新在家店はしばらく営業を休止いたしますが、六甲道店、それから奥に行きましたら灘店甲南店六甲アイランド店、それから三宮摩耶海岸と、この周りにはいっぱいのダイエーがございます。
是非ともこちらのお店の代わりに、是非ともですね、引き続き、このダイエーを愛し続けていただきたいなあ、という風に思います。重ねてよろしくお願いを申し上げます。

本当にですね、皆様には、いろいろお叱りやご忠告、こういったことをたくさんいただきました。
本当にありがとうございます。

ここにいる従業員のみんなも、僕のですね、わがままを非常に聞いていただいて、「お客様のために」と日夜奮闘してまいりました。是非とも従業員にも皆さん、拍手を送ってやっていただきたいと思います。

(拍手)ありがとうございます。

何年後か、数年後かに、こちら、ダイエー新在家店は、リニューアルオープンできる予定だと思います。
是非ともその日を、1日も長く、1日も早く、迎えることができますように、わたくしも頑張りたいと思っております。

最後にですね、わたくしの一番好きな歌詞、歌の歌詞がございます。
それになぞらえまして、皆様に最後の一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

ダイエー新在家店の歌、ということで、

六甲颪(おろし)に颯爽と
聳え立つお店を建てまして
蒼天翔ける日輪の
ピカピカのお店に生まれ変わる
ダイエー新在家店
輝く我が名ぞ ダイエー新在家店


どうぞ、よろしくお願いをいたします。
是非とも、またお会いしましょう。

本当に今日は、ありがとうございました。

本当に、ありがとうございました。

店長の素晴らしく、また面白いネタを交えた挨拶であった。
また、他のエリアから攻めてくる競合他社に対しても「私たちはがんばるぞ」との意志を示した挨拶も珍しいものである。
替え歌が完全に六甲おろしなのもまた兵庫県のお店らしい。
(店長が虎党なのかもしれないが)

さて、オレンジ色にして一番文字を大きくしている部分はダイエーの大切な考え方なのである。
「よい品をどんどん安く」これはいま「基本理念」などと言われているが、そんなお題目のようなものではなく、「ダイエー憲法」とも呼ばれる創業時から伝わる大切な考え方である。

「お客様のために」これもダイエーの創業時から言われ続けている「For the Customers」である。
正しくは、「お客様のためになること、お客様に喜んでいただけることが常に正しい」という意味を持つ。

まとめ

マルナカ発祥のお店ということで、どんな挨拶なのか、と思っていたがやっぱりそこはダイエー。
店長のお店や会社への愛が詰まっていた。

また、地元のお客様もダイエーだから、ということで利用していた方もいたように見受けられた。
それゆえに「お世話になったから」と何も言わずにセレモニーの開始を待ち続けた婦人もいた。
やはり神戸、ダイエーを愛し、ダイエーに愛される街なんだと改めて感じた。

新店については是非とも「ダイエー」屋号での出店を強く望む。

ダイエーおおとり店、惜しまれつつ閉店

去る2025年1月31日、大阪府堺市西区にあるダイエーおおとり店が閉店。
今回は閉店日の様子についてレポートする。

おおとりの街に根差した大型店

ダイエーおおとり店がオープンしたのが1980年10月17日。
1980年オープンのお店といえば、4月3日生まれの元ダイエー熊本店(0505)、6月26日生まれのAFS摂津富田店(0338)である。元ダイエー熊本店も2月28日で閉鎖となるが、摂津富田店はまだまだこれから。
同期のお店が残る中での閉店はなんともいえないものである。


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ダイエーの標準サインも残る。

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ダイエー矢印も残るサッカー台。
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お客様から寄せられたたくさんのメッセージ。

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店内には4代目ロゴをあしらったデザインも。

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美しい大きな翼。

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清らかな心で見れば何かが見える塔屋。

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さつま姫牛の銘板。これも見納め。

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アルティフーズからのメッセージ。

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ひと足早く、と書いている。

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節分を迎えることができないゆえに、お客様のために先取りで恵方巻きを売っていた。
お客様の方を向いていないとなかなかできないこと。

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この看板も見納め。


閉店セレモニー

閉店セレモニーは18時から、と告知がされていた。
ただ、その告知の仕方もただものではなかった。
よくある「呼び込み君」で告知していたものの、そのBGMが合唱曲の「旅立ちの日に」だったのだ。
大空へ翔びたとうとする直前。選曲センスが光る。

セレモニー直前には山口百恵さんの「いい日旅立ち」が流れるように。
これは歌詞も相まってピッタリすぎて店内で涙してしまった。
(なお、最終日の特別放送のBGMもいい日旅立ちが使われていた)

18時を過ぎた頃、従業員が整列。
セレモニーの準備のために副店長が号令をかける。
「基本姿勢!」の号令とともに全従業員が一斉に基本姿勢をとる。かっこよさを感じた。

18時15分頃、最後のお客様が退店。
そうして18時16分頃から閉店セレモニーが始まった。
登壇者はダイエーおおとり店の店長、徳野さん。

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ここに、その挨拶の全文を掲載する。
みなさま、こんばんは。
店長の徳野でございます。
今日はこんなものを作ってまいりました。
(紫色の巻物を掲げる店長)
ちょっと長いです。

本当に長い巻物が登場。40年以上の歴史は簡単には語り尽くせない。
そして、その巻物の中身はこう書いてあったようだ。
はい、それでは、ただいまより、店長の挨拶をさせていただきます。
みなさん、こんばんは。
本日は、お忙しい中、足をお止めいただきまして、誠にありがとうございます。
先ほど、最後のお客様が食品売場より退店され、無事、ダイエーおおとり店が閉店いたしましたことを皆様にご報告申し上げます。
ダイエーおおとり店の歴史は長く、1980年10月17日地域住民の生活を支える地域密着型の大型スーパーとしてオープンいたしました。
食料品から日用品、衣料品まで幅広い商品を取り揃え、地域の人々の生活に欠かせない存在でございました。
1980年の出来事を調べてみたところ、海外では、アメリカで、レーガン大統領が就任されました。
また、モスクワのオリンピックが開催されたわけなんですが、アフガニスタン侵攻にソ連が出たために、抗議のため日本はボイコットした、という年でございました。
日本での出来事は、今流れている山口百恵さんが、ちょうどこの年に引退を決められました。そして、松田聖子さん「裸足の季節」というデビューシングルでデビューをされました。
また、ポカリスエット、皆様もよくご存知だと思いますけど、この年に、新発売をされました。
そして、この年の日本レコード大賞は、八代亜紀さん、「雨の慕情」でございました。そしてこの後の紅白歌合戦での大トリ、大トリは同じく、八代亜紀さんの「雨の慕情」でございました。
概ねこの1980年という年は、平穏な1年だったという様相でございました。
そして、45年もの長い年月が過ぎ、地域の皆様に愛され続けてきたダイエーおおとり店でございますが、本日をもちまして、閉店と相成りました。
地域の皆様に愛されていたことは、店内に張り出しました、思い出、というね、ボード、こちらの方にたくさんの応募が、応募というかコメントをいただきました。
少し代読させていただきます。
ここで、お客様からのコメントを読み上げられた。
子供の頃は、母と。
わたしが母になったら子供を連れて毎日のようにお買い物に来ました。
思い出がたくさん詰まったダイエー。長い間お世話になりました。

いまは亡き、母と学生の頃からよくお買い物に来ました。
たくさんの思い出が詰まった、ダイエーがなくなるのはとても残念です。
子供の頃、ダイエーはオシャレで、一人で行ってはいけない場所でした。
おばさんになったいまは、一人でお買い物をしています。
ダイエーと一緒に成長してきました。
閉店をすごく寂しく思います。
上の娘が45歳、彼女の年齢とともに通い続けたのですが、ダイエーが変わることは寂しいです
皆様元気で働いてください。
74歳のおばちゃんより。
店長は続けた。
こういうね、コメントをたくさん頂戴いたしました。
実はあのボードには、650枚ぐらいのコメントをいただいております。
コメントを1枚1枚読ませていただきました。
全部読みました。
そのコメントを読んでいると、やはり、ジワッと涙が滲んでまいってきた次第でございます。
そんな地域の皆様に愛され続けたダイエーおおとり店も、時代の波には勝てず、非常に残念ではございますが、このほど、閉店をすることとなりました。
店長として、今年(注:2024年)の夏前から店舗で実施してきた施策、功を奏しまして、食品売場のお客様が増えて、手応えを感じてきていた最中での閉鎖となってしまいました。
非常に残念な会社の決定で、不満を感じていたのですが、しかし、次に入店するのが、AEON RETAIL、ということで、逆に、地域の皆様にとっては、より、品揃えが増え、より、利便性が高まり、より、生活が便利になるのであれば、仕方ないのではないかな、って思うようになりました。
その新しい店舗には、わたし自身はかかわることは出来ませんが、鳳周辺の皆様にとっては、さらなる生活向上の場になることを切に祈っております。
いまのところ、AEON RETAILさんのオープンは、今年(2025年)の春頃、と聞いております。
当店の従業員は、AEON RETAILさんで、引き続き、お世話になる、ということを伺っております
ダイエーの気持ち、ダイエーイズムは従業員の心の中で、生き続けて、これからも、存続してまいりますので、ダイエーで培ったノウハウを、次のAEON RETAILさんでも、存分に引き継いでくれると思っておりますので、今年の春、オープンいたしましたら、ぜひ、ダイエーおおとり店の従業員が、元気で、働いている姿を、見に来ていただきたいな、と思っております。
長くなりましたが、店長のお言葉とさせていただきます。
本日は、ありがとうございました。
ダイエーの考え方がそう簡単に変わるとは思えない。
ダイエーの従業員は「人が好き」「店が好き」なのだから。

花束贈呈

挨拶が終わった直後、地元のお客様からの花束贈呈。
実はこれ、用意があったようなのだけど、挨拶に来たお客様に花束の贈呈をお願いしていたようだった。
「店長さん、みなさん、ありがとうございました」の言葉とともに花束が店長に手渡された。

最後の挨拶

店長の最後の挨拶。
「それではいきまーす!」の合図。
「45年間」
「「ありがとうございました!!」」


全従業員の挨拶とともにシャッターが閉じられた。
ただ、一つだけ文句をつけるとすれば、幕引きの瞬間に警備員がバタついていたこと。
やらなければいけないのはわかるが、店長の前を遮るでない。
こればかりは店長に対して、お店に対して失礼である。

店長の想い

閉店セレモニーで店長の挨拶を何度も聞いているが、会社の決定に対する不満をはっきりと口にしたのは、わたしが参列した中ではおおとり店が初めてである。
それもそうで、自分自身頑張って成果を上げてきたお店が閉鎖されるというものは悲しいものであろう。
また、ダイエーの店長は、「言われたからやる」店長ではなく、「自分のお店」としての意識が強い店長である。
それもそのはず。
ダイエーグループの従業員の行動指針である「ダイエーグループの誓い」にはこんな一文がある。
「人を愛し、店を愛して、日々美しい努力を続けます。」
だからこそ、最後までお店を愛して、美しい努力を続けたのだろう。

店長なりに最後までお店を盛り上げる施策を考えていたようだ。
それが、1月30日、最後の木曜日だった。
ダイエーがかつて実施していて、お客様から圧倒的な支持を得ていた「木曜の市」の復活である。
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これはただただ復活させただけではない。
往年の雰囲気を完全再現させ、「おかずバイキング」など人気企画も復活。
さらに店内では「モッくんの歌」を流し、店長の名前入りの特別放送でもこの歌を使用。
それだけではなく、日中には「モッくん」が来店。
本来の業務に久しぶりに携われたこと、モッくんも嬉しかったことだろう。

そして、こんなものまで。
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レシート提示でもらえるプレゼントも用意されていた。
これは配布終了の20時まで持ち堪えた模様。
さらにさらに、店内の一部従業員はハッピを着用。
背中には「祭」と書いている水色のハッピ。
襟の部分には「ダイエーおおとり店」と書いてあった。
しかも「ダイエー」のロゴタイプは3代目のもの。
どこで見つけたのかはわからないが、店長のお店への愛がすごいことになっていた。

店長のかっこよさ

閉店当日は混み合うのが常。
混み合う店内を見ては的確に放送をする様子が見てとれた。
「レジは左側が空いております」
「最終売りつくしを実施しております」
など、事務所からやっているのかと思えば売場で直接様子を見ながら携帯電話から放送をしていた。
そうして店内を歩く店長の後ろ姿はとてもかっこよく見えた。
最後には「全売場の従業員」に対して、「お客様が残っていないかの確認」を指示。
最後まで、現場の人だった。

道半ば。

店長自身、手応えを感じてきたところでの閉鎖に対する不満を持っていたというのは先述したとおりだが、調べてみると納得した。
店長の着任が2024年3月。着任から1年経っていないのである。
しかも、おそらく初めての大型店の店長。
なんとも言えないところであろう。

おおとりの地でこれから頑張っていこう、と思った矢先の閉鎖
お店は会社に従うまで。と言ってしまえばそれまでだが、走り始めた矢先なので、「そんなのおかしいよ!」と思うのもわからなくもない。

おおとりが翔びたつ日

わたし自身、おおとり店までは遠いものの、行けばダイエーの匂いがするので好きなお店の一つだった。
そこで、閉店に際し、僭越ながらこんなポスターをつくってみた。

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すべての関係者に、感謝を。

そして、おおとり店よ、永遠に。

本年もお世話になりました

2024年もまもなく終わりを迎えようとしています。
本年もご愛顧いただきありがとうございます。

映画ネタをダイエー本に仕込んでみた!!

本年の大きなトピックが2つありますが、そのうちのひとつがダイエー本で初めて映画のネタを入れてみたことであります。
その映画こそ、「トラペジウム」であります。
今年の夏のコミックマーケットで出した新刊ですが、お店の取材をした段階ではこれまでと同じようなものにしようと考えていたのです。
ところが、あまりにも私がトラペジウムにハマったので、サークルのスタッフに相談しネタを大いに入れ込んだのです。
そんなこんなでデザインを一からつくり、色合いをうまい感じになるように組み合わせて本をつくった結果、多くの人に手に取ってもらうことができました。

トラペジウムという作品のおかげで、ここまでになるとは思っていなかったのですが、結果的に新たな仲間にも届いたので良かったと思っています。

お求めいただきました皆様に改めて感謝申し上げます。

ダイエー創業家の人の手にダイエー本が渡った

本年の大きなトピック2つめが、今年もあの流通科学大学の学園祭にて私たちのダイエー本を頒布することができたことであります。
流通科学大学といえば、ダイエーグループ総帥であられた中内㓛CEOが流通業で初めて作られた大学です。
いろいろありましてお声がけをいただき、出展することができました。
なんと今回はそれだけではなかったのです。
ダイエーの創業者である中内㓛CEOの長男であり、中内学園の理事長であられる中内潤氏がスペースに来られたのであります。
私の拙いダイエー本を読んで驚いてくださり、そのまま買っていかれました。
商業おたくがやっている同人サークルの中ではおそらく初めてだと思われる「創業家の方が来られたサークル」になったのです。
後に関係者に話を聞いたところ「かなり気に入っていた」とのことで、本当に嬉しい限りです。
出展のお声がけをくださいました流通科学大学現代視覚文化研究会の皆様に改めて厚く御礼申し上げます。

ダイエーについて

今年はダイエーの屋号増減は少ないように感じました。
黒塗りの新店が2店舗ありました。
また、閉店が4店舗もあるという年でした。2増4減であります。
老朽化での閉店は仕方ないのですが、そうでない場合は買い支えが足りないものと考えております。
すでに次の節分の恵方巻の予約も始まっております。
節目のものをダイエーでお願いすることでも買い支えにつながります。
もちろん、普段の買い物でダイエーを選ぶことでも買い支えにつながります。
ひとりだけでは焼け石に水かもしれませんが、みんなでやれば大きな力になります。
継続的な買い支えへのご協力が、身近なお店を守ることにつながります。
皆様のご協力を何卒よろしくお願いいたします。

2024年について

2025年についても、「ダイエーなんてもうない」という人を一人でも減らすために尽力することと、ダイエーへの買い支えを続けることに力を注ぎたいと考えています。

また、1月にはダイエーに関する同人誌第8弾の頒布を控えております。
さらに、2025年は私が支配人を務める同人サークル「不安定の安定」は発足から5周年を迎えます。
2025年も精進して参りますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

2024年もご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
それでは、皆様どうぞ良い年をお迎えください。

残りわずか

2024年も残り5時間を切った。
今年も激動の1年であったダイエーを振り返る。


1月10日 ダイエー、「お弁当・お惣菜大賞2024」で優秀賞!

1月10日、ダイエーは「お弁当・お惣菜大賞2024」のパン部門において、14000件あまりの商品の中から「D'sコッペ(白身タルタル)」が初めて優秀賞を受賞したと発表。
この商品は関東事業本部管内でしか販売されていないようだが、優秀賞を受賞するということはきっとおいしいのだろう。
ちなみに、パン部門で優秀賞を受賞しているスーパーマーケットチェーンはダイエーのほかに「ユニバース」という東北のスーパーがある。
いつかは最優秀賞を狙ってほしいところである。


2月29日 ダイエー今池店、歴史に幕を下ろす

2月29日、愛知県名古屋市千種区にある「ダイエー今池店(0127)」が閉店。店長が挨拶をしていた。


店長は「ダイエーの名古屋出店1号店」と言っているが、実は「東海地区初出店」であることを補足しておく。これは確かな資料で確認している。
なお、筆者は閉店当日に閉店セレモニーに参列し、記事を記しているのでそちらもご参照願いたい。



3月1日 ありえない組織変更が発表される。

3月1日、小売業としては新年度初日に当たる日に、ダイエーは組織変更を発表した。
その内容がとんでもないものであった。
「関東事業本部」と「近畿事業本部」といった組織を「関東支社」「近畿支社」という形の支社に変更し、それぞれに重複する組織をつくる、といったものである。
これが何を意味するか。そう、会社をぶった斬ることが容易に想定できるわけである。

ダイエーの関東地方の出店については一徳の買収に始まり、赤羽戦争をはじめ、首都圏レインボー作戦などかなり力を入れてやってきたと記録がある。
そういったところがわからない人たちが分断を計画しているのかもしれない。
(For the Customersは言うだけでなく実践するもの。どこを向いているのだろうか。)

会社は、一度斬ったら二度と元には戻れない。
幹部がダイエーの歴史をきちんと知っているのかが気がかりである。

4月1日 身だしなみ基準を変更

4月1日、ダイエーは従業員の勤務時における身だしなみ基準を変更すると発表。
これは時代の変化に伴い価値観が変化していることを踏まえ、業務に支障がない範囲で基準を変更するといったものである。
これは最初は驚いたが、問題はないように思う。大切なのは、お客様に対する姿勢、こころの部分である。
「あの人金髪や!態度悪そう!」といったことがないように消費者側も気をつける必要があるだろう。

4月5日 向ヶ丘にダイエーが復活!!

4月5日、ダイエーは神奈川県川崎市多摩区に「AFS向ヶ丘店(0898)」をオープンした。
ここには2020年9月30日までダイエー向ヶ丘店(0230)があった。
その跡地に野村不動産が商業施設をつくり、そこの核店舗といった形での復活となった。
実に約3年半ぶりである。
ここは旧店舗の頃に1回行っているが、新店舗となってからは未踏の地なので行かなければと考えているところである。

5月27日 千船店が移転縮小するとの知らせ

5月27日、ダイエーは大阪市西淀川区にある「グルメシティ千船店(0834)」が6月23日をもって閉店し、斜め向かいにある阪神千船駅高架下に移転すると発表。
ここは1973年12月6日に丸栄商事が運営する「サカエ千船店」としてオープン。
以来実に50年5ヶ月強もの長い間営業を続けてきた。
移転するとのことであったが、元の建物は限界が近いのか満身創痍な感じに見えた。
新店舗の様子は後ほど。

6月23日 千船店が長い歴史に幕を下ろす

2023年8月31日、大阪市平野区にあるグルメシティ千船店(0834)が閉店。店長が挨拶をしていた。

店長の挨拶で、「感動したこと」について触れられている。
近くの小学校3年生の児童が社会見学に来られたことがあったそうで、閉店に際しその時に来てくれた児童が店長にお礼を言いにやってきたというのだ。
子供からお礼を言われるお店。愛されている証拠である。

ただ、ここは老朽化が進み満身創痍の状態。
お客様に不便をかけることがないよう移転ギリギリまで営業したようである。

なお、筆者はこの閉店の際に店舗へ向かって直接店長の挨拶を聞いている。
その際、近畿支社長がいるのを見かけたのだが、かなり緊張した記憶がある。

6月27日 シン・千船店オープン

6月27日、ダイエーは大阪市西淀川区に「AFS千船店(0899)」をオープンした。
店内は旧店舗とくらべて小さく感じた。
それもそのはず、旧店舗は2フロア、新店舗は1フロアなのだから。
なお、ここの閉店10分前の放送を聞いたが、「ごはんがおいしくなるスーパー」としか言っておらず、肝心な「ダイエー」の文言が含まれていなかったのだ。
実に中途半端である。

7月 特に動きはなかった。

7月。ニュースリリースなどを調べたが大きく動いたことはなかった。

8月21日 三田店が閉店する!?

8月21日、兵庫県三田市にあるダイエー三田店(0700)が2025年2月28日をもって閉店するとの知らせが飛び込んできた。
どうやら館側が建て替える意向を示してきたとのこと。
36年だそうで、まだまだ若いのだが、どうなんだろうか……。

8月31日 ダイエー鹿児島店、涙の閉店。

2024年8月31日、鹿児島県鹿児島市にあるダイエー鹿児島店(0492)が閉店。店長が挨拶をしていた。

ただのスーパーではなく、鹿児島市民の思い出が詰まった宝箱だ、という声も聞かれるくらい、鹿児島では愛されているお店だったようだ。

店長の挨拶で印象に残っているのは、今年の5月の大型連休に行われた「ふれあい動物園」のイベントの際の一幕。
お店の前にある動物のモニュメントのところで、店長が様子を伺っていたところ、幼稚園ぐらいの女の子を連れた母親がいるのを見かけたそう。
その母親が子供に「ママね、子供の時に、この動物の背中に乗って、パパとママに写真を撮ってもらったんだよ」という話をしながら、今度は自分の娘を動物の背中に乗せて写真を撮っていたのだという。
映像を見ながらこのエピソードを聞いた時は涙が止まらなかった。

このエピソードを選んだ店長、本当にすごい。

また、店長自身、「この店の従業員は、明るく、元気で、そして頑張り屋で、わたしの自慢のスタッフです」とも言っている。
「スタッフたちは鹿児島市内のお店や近所の企業で仕事を続けていく。見かけた際は声をかけてあげて」
「恥ずかしがり屋の人たちだけど、きっと喜ぶと思う」

…スタッフ側からしても自慢の上司であろう。
こんな店長なかなかいない。歴史についてもしっかり語っているし、相当勉強されたのだろう。
それと人柄。優しく、かつしっかりしている店長であるように感じた。

鹿児島店は鹿児島の人たちが語り継ぐことにより永遠に生き続けることだろう。

8月31日 ダイエー松戸西口店、涙の閉店。

2024年8月31日、千葉県松戸市にあるダイエー松戸西口店(0309)が閉店。店長が挨拶をしていた。


このお店は1977年9月20日、ダイエー松戸店としてオープン。
1977年といえば松戸駅に駅ビルができた年だそう。
それから6年、1983年に「Dマート松戸店」へ業態変更。「赤い看板のDマート」である。
2006年にもう一度ダイエー松戸店へ戻る。この頃は全館直営であった。
2017年にダイエー松戸西口店へと変わり現在の形となった。
このように地域の皆様に支えられダイエーは成長してきた、と店長の挨拶で語られた。
46年ともなると、「親子3代、思い出の場所」というメッセージが来ていたそう。
メッセージを読んで、「たくさんの皆様に愛されていたのだと実感した」とのこと。
「わたしたち従業員も地域の皆様が大好き。ダイエー松戸西口店が大好き。この松戸が大好き。こんなに大好きなのに本日でお別れをしなくてはならない。本当に残念でならない」と店長は続ける。
「地域の皆様に買い物の不便をかけること」に対してのお詫びもあった。

店長から最後のお願い。
「わたしたちは、ダイエー松戸西口店がこの松戸に存在してきたこと、皆様と一緒に成長しづづけたこと、皆様から、愛されていたこと、絶対に忘れない。ぜひ皆様もダイエー松戸西口店がこの場所に存在してきたこと、皆様と一緒に成長してきたこと、絶対に忘れないで。」とのことだった。

やはり思い浮かぶのは、ダイエーグループの従業員の行動指針、ならびにお客様への誓いを記した「ダイエーグループの誓い」の3番。「人を愛し、店を愛して、日々美しい努力を続けます。」だ。
ダイエーの人はとにかくお店が好き、地域が好き、人が好きなのだ。
そして、日々美しい努力を続けてきたからこそ、お客様から愛されるお店へと成長できたのだと考える。
跡地がどうなるかはわからないが、復活して欲しいところである。

9月20日 レジでも座る時代に。

9月20日、ダイエーは関東支社管内のほとんどのお店にレジ係員専用のイスを導入したと発表。
これはいきなり全店導入ではなく、関東支社管内7店舗で検証を続けていたようで、その結果、接客サービスの向上につながること、お客様から一定の理解を得られたことから79店舗へ広げることを決めたようだ。

近畿エリアでも実証実験中のようだが、どこでやっているのかがわからないので気になるところである。

なお、関東支社管内の店舗で実際に座っている従業員を見かけたが、接客サービスに何の問題もなかったことを申し添えておく。

10月31日 2代目ダイエー三国店、閉店。

2024年8月31日、大阪市淀川区にあるダイエー三国店(0873)が閉店。少しだけ挨拶をしていた。
(なぜ2代目と書いているのか、については阪急三国駅前に初代店舗があったからである。)


挨拶では「皆様のおかげで今日まで続けてこれた。本当に感謝している。ダイエー三国店が閉店するが、近くには東三国店(0807)とか、江坂(0805)とか庄内(0758)いっぱいダイエーがある。従業員もそれらの店に行く。そういう意味ではダイエーとしてこの地区にまだまだ貢献させていただける。この三国での皆様とのご縁を大切にして、また新たな形で皆様とお会いできることを楽しみにしている。今日まで本当にありがとう」といったようなような内容の話をしていた。

あっさりとした挨拶のように見えるが、そこに水を差すようなお客様が一人。
何があったのか「お金返してください!」と詰め寄る一人の女性客。
最後の最後で水を刺すのは水を差すのはやめていただきたいところ。

なお、筆者はこの閉店の挨拶も現地で聞いている。だから現地の様子をはっきり覚えているのだ。

11月1日 ダイエー3店舗、また屋号変更。

11月1日、衝撃的なニュースが飛び込んできた。
ダイエーのお店をまたÆONが持っていくというのだ。
ニュースリリースを読む限りでは、「店舗資産のさらなる有効活用」とある。
お客様の方を向いていないように見える。「お客さま第一」は言っているだけなのだろうか。
おそらく長くは持たないだろうと考えているが、果たしてどうか。

ちなみに、屋号変更の対象店舗は下記である。
ダイエーおおとり店(0340)と、ダイエー東大阪店(0863)2025年1月31日をもって閉店、2025年3月1日に持っていかれる。
2代目ダイエー西宮店(0862)は、2025年2月28日をもって閉店、2025年4月1日に持っていかれる。

2代目ダイエー西宮店は旗艦店として改装してそれほど時間が経っていないところなのだが、改装が無駄になってしまう。
ダイエーが弱体化に向かっていないか危惧するところ。
なんでもÆON、それでいいのか……。

なお、これで終わりだと思ったが、そんなことはなかった。

12月20日 ダイエー大宮店、屋号変更。

12月20日、またまた衝撃的なニュースが飛び込んできた。
今度はダイエー大宮店(0719)を持っていくというのだ。
ここは大宮駅前にある「DOM(ドン)」という施設に入っているお店なのだが、「DOM」の由来は「Daiei・Omiya・Marui」の頭文字をとって付けられている。持っていかれると意味が変わってしまうのだ。
どこまで欲しがるのか、どこまで欲しがれば気が済むのか。
全くもってよくわからないが、駅前立地の歴史あるお店がまたひとつ失われることとなった、

激動すぎる2024年

ダイエーにとり、今年はいろんなことがあった一年であった。 
今年は閉店が計4店舗(AR:1店舗、AK:1店舗、D:2店舗)となった。
しかも、来年には現時点で何店舗か閉店予定が決まっている。
これ以上、ダイエーを減らさないでという願いを込めて、2024年を終えようと思う。

今年もお世話になりました

2024年もお世話になりました。 
私事ながら、今年はダイエーに関する同人誌の第8弾の制作を発表しました。2025年1月に頒布を開始します。
いろんな方にお読みいただきたく思っています。
特に、ダイエーなんてもうないでしょダイエーってどこにあったんだっけ、と思っている人に読んで欲しいです。

2025年も、スーパーゆかりとダイエーをよろしくお願い申し上げます。
皆様どうぞ良い年をお迎えください。

不安定の昨日・今日・明日

去る2024年3月31日になんば白鯨にてイベントを開催。
今回はそれについて記す。

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