数週間前からSNSで話題を呼んでいる「若おかみは小学生」。

私も2度ほど見にいっているが、やはり飽き足らない。
何度でも見たい、そして推していきたい名作。

ストーリーを知っていても泣ける。知らなくても泣ける。
親子連れの多い会でも、子より親が泣いている印象を受けている。
それぐらい、子供向け(→子供騙しがなく、正直に描かれている)な作品なので、やばいです。

先日もラジオ番組で猛プッシュされたばかり。
→その時の様子はラジオクラウドで聴けます。

ネタバレをしないように書くと、この3行でまとめられる。

「ネアカのびのびへこたれず」
「普通なんて曖昧な物差しでお客様を計ってはいけない」
「お客様のために何ができるかを考えて行動する」


まずは、「ネアカのびのびへこたれず」。
まずは主人公であるおっこのひたむきに頑張る姿に心惹かれる。
前半と後半で、あるものに対する接し方が明らかに違うことがわかる。
成長を感じられる一面である。

元々、「ネアカのびのびへこたれず」は、ダイエーのCEO、中内㓛氏の座右の銘で、
「夢や志を持ち、明るく元気でどこにでても物怖じすることなく、誰とでもしっかり言葉を交わすことができ、逆境でもたくましく生き抜く力が大切である」
という意味であるが、
この言葉の意味どおり、おっこは「若おかみ」としての志を持ち、あんな目にあっても明るく元気でいて、あのピンフリに対しても物怖じせずにはっきりとしており、お客様ともしっかり話し、逆境に立ち向かってもたくましく生きている。

本当に「小学生か」と驚くほどに見習いたくなるような感じである。


続いて、 「普通なんて曖昧な物差しでお客様を計ってはいけない」。
これはおっこがある場面で
「もっと普通のお客様ばかりだったら…(うろ覚え)」
と言い放った直後におかみが言った名台詞。
「おっこ!普通なんて曖昧な物差しでお客様を計ってはいけないよ。普通なんてのは、『お客様を見てません』というもてなしに劣ることだよ(うろ覚え)」

これは「己の普通という感覚をお客様に押し付けるな」「普通を疑え」ともとれるような台詞である。

これは春の屋旅館をはじめとする旅館業のみならず、小売業を含む接客業全体において通用する考えのようにも思う。
 
あなたの普通は、世の中の普通ではないかもしれない。
もちろん、私の普通も、世の中の普通とは違うかもしれない。
普通とは何か、をいつも考えながら生活する必要があるのかもしれない。


最後は、「お客様のために何ができるかを考えて行動する」。

これは幾度かの場面で感じられることだが、お客様の望むものに近いものを提供し、あるときはお客様が好まれるであろうものを提供し、またあるときはお客様から出された難しい難題にも周りと協力しながらも応えていくことである。

ネタバレをしないようにすると、初めはお客様の望むものを出し、またあるときはお客様に頼まれていないけれども喜んでいただくためにと考えて出し、最後には自らをあんな境遇に陥れた元凶の出した無理難題にもしっかりと応えている。ということなのである。

これは超個人的解釈であるが、この長い文章をわかりやすくした言葉がある。
それは、「For the Customers」である。
お客様が一番なのは当然のことであり、お客様のためになることが大切である。


確かに、春の屋旅館は高級旅館に見えるかもしれない。
しかし、考え方に高いも安いもない。

「お客様が喜んでくれた」ことが一番大事だと言えるだろう。


まだ観ていないなら観るべきだと私は思う。

「子供向け」「ただのアニメ映画」と侮ってはダメ。
子連れだけでなく、大人の方もいる。それこそ、40〜50代の人々もいる。

もちろん、一人で観にいくのもアリだ。
その際、(念の為)ハンカチを持参することをお勧めしておく。

なぜ観るべきだと言えるのか。
それはこの一文に集約される。
花の湯温泉のお湯は、神さまからいただいたお湯。誰も拒まない。全てを受け入れる。

事あるごとに登場する台詞である。

この作品の上映時間を見るとやはり午前中など、子供連れをターゲットにしている感が否めない。
だからこそ、大人にも観て欲しい。と思う。
夜の上映を行なっている映画館もあるみたいなので、詳しくはウェブサイトで。